2012年6月11日月曜日

中津箒についての説明

中津箒について少々説明させていただきます。

おおまかに分けると、上のように玉型に編まれた肉厚タイプ(左)と、
広がるように編まれた幅広タイプ(右)に分かれます。

ご覧のように使うホウキモロコシの量が倍あります。
幅広タイプは薄い分柔らかいので、通常の棚の掃除や食卓などを掃くのに十分使えます。
肉厚タイプは量が多い分、圧がかけられるので、クッションや洋服ブラシなどにも使えます。


ホウキモロコシを栽培するには広大な農地が必要です。
想像しやすいようにトウモロコシで説明しますと、長柄箒1本を作るのに、約80本〜120本分のトウモロコシを育てる面積が必要になります。
国産のホウキモロコシが貴重な理由のひとつです。

更に、国産のホウキモロコシはコシがあって、穂先が柔らかいのが特徴です。
そのため、中津では穂先を切らずに、同じ長さの穂を選別し、揃えてから編みます。
この方法は制作に手間がかかりますが、細かいゴミを掃くために穂先は重要な役割を果たしますので、穂先は残しほとんど切りません。
量産品の箒の先がばっさり切られているのは、手間を省くためです。


前述の一番上の画像のほうきは糸を草木で染めて編まれた吉田慎司さんの作。

この写真のものは吉田さんの師匠にあたる柳川芳弘さん作。
昔ながらの銅線やビニール線等を使用しています。

手箒の柄部分は軽いので竹が一般的ですが、そのままホウキモロコシを使用したものや、
吉田慎司さんのヤマブドウを使ったタイプなども人気があります。

手入れをすれば、約20年は保つと言われています。

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