2011年12月5日月曜日

作家個展情報


別のギャラリーのご案内になりますが、ちょっと面白そうな企画だったのでご案内させていただきます。

ADACHI Takeshi "Noyaki"exhibition
2011.12.8Thu.-17Sat.(12Mon. close)
12:00-18:30(last day -17:00)
CONTRASTO GALLERIA

一段一段粘土を積み、捻る一指一指は呼吸の拍子で。
一掻き一掻きが曲面を探し、
目と耳と肌でひとつひとつを燃してゆく。

炎は魔性を思わせてゆらめき、
薪は不意にはぜて耳を射る。
手の届く、目に見えるすぐそこで、
土はやきものへと結ばれる。

3月のあの日から、小さなところへ立ち戻ろうと
僕は野焼きを始めました。

立方体の角を落とします。
ややゆるやかになったその角を、また落とします。
いっそうゆるやかになったその角を、またまた落とします。
さらにゆるやかになったその角を、やっぱりまた落とします。
そうして、角を取っては取っては取っては取っては、してゆくと
じきにそれは、球へとなります。

単純作業の半永久的な繰り返し、反復は必然
理想体としての球へと向かうのです。
その反復作業はやがて意味を、頭を離れ、行為として身体に直結し
ついには、どこか素朴な祈りめいてきます。

小さなところから大きなものへと向かうとき
その祈りをさらに重ね重ねていくこと、それがひとつのよすがとなる
そう思われるのです。
だから、ここは始まり。まだほんの始まり。

<以上フライヤーより>

野焼きを個展にするというのは陶芸家にとって勇気のいることだと思います。
しかし、小さな所へ立ち返る安達さん個人の気概は、陶芸をしない僕にとっては有り難く、
作り手の労働・手仕事とは何かを考えさせてくれる一端になるのです。

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